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オガワカズヒロ

やがて「いいね!」も数から質へ

  • 2011年12月04日 01:05
  • written by kazu

今年もあっという間に最終月となりました。

 

そんな今年の、インターネット界隈の最たるトピックはFacebookでした。

世界中で席巻し続けているFacebook、今年は日本でも着実にユーザーを拡大し、「Facebookのある生活」が多くの人々に浸透し始めました。

僕らが「Facebookマーケティング」という本を書いていた頃(昨年の暮れ~年初)は、“Facebookって日本でも本当に使われるの?”という疑念に対する見解をしばしば求められていました。最近に至っては、その手のことを問われることがほとんどなくなったことを考えると、ようやくその疑念も払拭されてきたということでしょう(2007年当初、“スマートフォンなんて日本で広まらないよ”と少なからずの人が言っていたこと同様、大きな変化に対する疑念先行は付き物ですね、つくづく)。

 

そのFacebookの肝は何といっても「いいね!」という、シンプル極まりないコミュニケーション機能です。世界を席巻するサービスとしてはいささか拍子抜けするくらいシンプルなこの機能がどれほど重要機能であるかということは、実際にFacebookを利用するユーザーであれば合点がいくでしょう。

 

あらゆる投稿に対して「いいね!」という意思表示を万能化することの難しさはあるにせよ(「いいね!」するには相応しくない投稿内容も多々ある訳です)、「いいね!」という善意的表現にほぼ絞ったコミュニケーションを成立させる新しい社会(ソーシャルメディア)は人々を魅了しました。Facebookに投稿し「いいね!」されるコミュニケーションの簡便性と喜びは、ブログやTwitterへの投稿では得難い類いのものがあります。また、現実の生活の中では、自分が発した言葉に対してFacebook内ほど多くの善意的表現を寄せられることも滅多にない、そのような体感が人々をFacebookへと引き寄せたのです。とにかくFacebookの中は、善意的な意思表示のやりとりで覆い尽くされ、その側面ではある種の居心地の良さを提供しています。

 

またマーケティングという観点では、Facebookページを立ち上げ、そこに「いいね!」を集めるということに熱が入り始めた一年でした。「いいね!」を大量に獲得したページというだけで注目もされるため、何はともあれまずは「いいね!」を獲得することありきの一年であったかもしれません。

 

もちろん、Facebookマーケティングの初動としては、まずはFacebookページを立ち上げ、「いいね!」を獲得するというアプローチ自体は間違ってはいません(というより、それがなければ始まらない面もある訳です)。しかし、Facebookページに「いいね!」をされたからといって、それがイコールロイヤルユーザーと化す訳ではないし、実際にそのページで紹介する物やサービスを買ってくれるユーザーという訳でもない。もしかしたらその候補者と言える人が含まれているかもしれないけれど、そうとも限らない。さほど「いいね!」と思われていなくても、何となく押されたものもあるかもしれない。「いいね!」をしてくれたユーザーのニュースフィードでページの投稿が拾われるとも限らないし、「いいね!」をしてくれたユーザーが二度と訪問してくれないかもしれない。

 

とは言え、今年はあくまでもFacebookをマーケティングに活用するというスタートラインに乗っかるフェイズ(ページを持ち、「いいね!」を集める)だったとすれば、それはそれで価値あり、と思います。そして今年はまだ幕開けみたいなものなので、これからこのスタートラインに乗ろうという企業や人はもっともっと増え続けるでしょう。

 

しかしやがてスタートラインに乗っかるフェイズが熟してくると、その後は「いいね!」の意味へのもっと深い思慮が働き始める気がします。それはつまり、形骸的な「いいね!」の価値が薄れ(疑われ)、本当の「いいね!」を得るために必要な思慮です。前者は「いいね!」の物理的数量を得るためのテクニックだとすれば、後者は質を伴った「いいね!」を得るための思慮です。マーケティングという観点でも、後者をいかに得られるかこそが重要になると考えます。ソーシャルメディア経由のコマースのコンバージョンを考えるに当たっても、消費につながる「いいね!」は、すなわち後者の「いいね!」が該当するはずです。

 

やがて「いいね!」も数から質へ、そこに企業や人がフォーカスする時がくると思っています。

-kazu

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